11年間で86個のWordPressテーマを開発した商品リリースにまつわるお話

新商品を次々と市場に投入することは新しい血を入れていくことと同じくらい、ビジネスにおいて重要な意味を持ちます。WordPressテーマの業界においてもそうで、新しい商品を投入することで、(それが受けてもらえれば)売上は伸びるし、既存の商品もまた注目されて売れるという作用があります。

そういう循環がある為、私たちも11年間で計86個のWordPressテーマをリリースしてきました(本当はそれより多く開発しているのですが、TCDとは別ブランドで出していたり、ボツになったテーマもあるので今回それらは数に含めません)。とは言え、商品をリリースし続けるには、アイデアも必要だし、スピーディーに開発する環境や人的リソースも必要です。それらをどうしていたのかという開発の裏側の話を触れてみたいと思います。

まずはTCDテーマがリリースされた年表をご覧ください。

TCDテーマ リリース年鑑

2010年10月19日 TCD001
2010年12月08日 TCD002
2011年02月22日 TCD003
2011年03月24日 TCD004
2011年07月04日 TCD005
2011年09月29日 TCD006
2012年07月05日 TCD007
2012年09月19日 TCD008
2012年11月12日 TCD009
2013年02月07日 TCD010
2013年04月22日 TCD011
2013年06月28日 TCD012
2013年08月19日 TCD013(Gorgeous・ゴージャス)
2013年10月18日 TCD014(AN・アン)
2013年12月16日 TCD015(Grider・グリッター)
2014年02月15日 TCD016(Chill・チル)
2014年05月12日 TCD017(Canvas・キャンバス)
2014年07月07日 TCD018(Opinion・オピニオン)
2014年09月18日 TCD019(Precious・プレシャス)
2014年10月27日 TCD020(Logue・ローグ)
2014年12月25日 TCD021(NEXTAGE・ネクステージ)
2015年02月20日 TCD022(LUXE・ラグゼ)
2015年05月13日 TCD023(CUBEY・キューベイ)
2015年06月10日 TCD024(PHOTEK・フォーテック)
2015年07月22日 TCD025(INNOVATE HACK・イノベートハック)
2015年08月24日 TCD026(Reviwer・レビュアー)
2015年09月28日 TCD027(CORE・コア)
2015年10月26日 TCD028(AMORE・アモーレ)
2015年11月30日 TCD029(SWEETY・スウィーティ)
2015年12月24日 TCD030(FOCUS・フォーカス)
2016年01月25日 TCD031(LAW・ロウ)
2016年02月29日 TCD032(VIEW・ビュー)
2016年04月09日 TCD033(AGENT・エージェント)
2016年04月28日 TCD034(IZM・イズム)
2016年05月31日 TCD035(BLOC・ブロック)
2016年06月29日 TCD036(MAG・マグ)
2016年07月29日 TCD037(ORION・オリオン)
2016年08月30日 TCD038(VENUS・ヴィーナス)
2016年10月04日 TCD039(LOTUS・ロータス)
2016年10月31日 TCD040(AVALON・アヴァロン)
2016年12月06日 TCD041(STORY・ストーリー)
2016年12月22日 TCD042(MONOLITH・モノリス)
2017年01月26日 TCD043(MAXX・マックス)
2017年02月23日 TCD044(UNIQUE・ユニーク)
2017年03月23日 TCD045(SOURCE・ソース)
2017年04月21日 TCD046(SKIN・スキン)
2017年05月30日 TCD047(ANGEL・エンジェル)
2017年06月20日 TCD048(OOPS!・ウップス)
2017年07月24日 TCD049(BRIDGE・ブリッジ)
2017年08月28日 TCD050(GENSEN・ゲンセン)
2017年09月26日 TCD051(VOGUE・ヴォーグ)
2017年10月31日 TCD052(STYLY・スタイリー)
2017年11月28日 TCD053(BLOOM・ブルーム)
2017年12月26日 TCD054(Beauty・ビューティー)
2018年01月30日 TCD055(ZERO・ゼロ)
2018年03月01日 TCD056(KADAN・カダン)
2018年03月30日 TCD057(BIRTH・バース)
2018年04月27日 TCD058(RUMBLE・ランブル)
2018年05月31日 TCD059(AGENDA・アジェンダ)
2018年06月28日 TCD060(AVANT・アヴァン)
2018年07月31日 TCD061(ONE・ワン)
2018年08月30日 TCD062(ICONIC・アイコニック)
2018年09月27日 TCD063(Switch・スイッチ)
2018年10月26日 TCD064(FAMOUS・フェイマス)
2018年11月28日 TCD065(NANO・ナノ)
2018年12月28日 TCD066(DIVA・ディーバ)
2019年01月30日 TCD067(ZOOMY・ズーミー)
2019年02月20日 TCD068(ROCK・ロック)
2019年03月29日 TCD069(TOKI・トキ)
2019年04月26日 TCD070(NUMERO・ヌメロ)
2019年06月01日 TCD071(MIKADO・ミカド)
2019年06月28日 TCD072(NOEL・ノエル)
2019年07月31日 TCD073(GLAMOUR・グラマー)
2019年08月30日 TCD074(FAKE・フェイク)
2019年11月28日 TCD075(EVERY・エブリ)
2019年12月20日 TCD076(Be・ビィ)
2020年01月28日 TCD077(HEAL・ヒール)
2020年02月28日 TCD078(FORCE・フォース)
2020年04月04日 TCD079(EGO.・エゴ)
2020年05月08日 TCD080(HAKU・ハク)
2020年06月05日 TCD081(Tree・ツリー)
2020年07月07日 TCD082(CURE・キュア)
2020年08月15日 TCD083(ANTHEM・アンセム)
2020年10月05日 TCD084(MASSIVE・マッシヴ)
2020年12月04日 TCD085(Mumm・ムーム)
2021年01月27日 TCD086(meets・ミーツ)

年ごとのリリース数

次は年ごとのリリース数です。

2010年 2テーマ
2011年 4テーマ
2012年 3テーマ
2013年 6テーマ
2014年 6テーマ
2015年 9テーマ
2016年 12テーマ
2017年 12テーマ
2018年 12テーマ
2019年 10テーマ
2020年 9テーマ
2021年 1テーマ

商品リリースの頻度を上げることのメリット

2015年5月以降、「1ヶ月1商品」のペースでリリースし始めましたが、それによって起こったことです。

  1. 開発部だけでなく全体の稼働率が上がった
  2. 開発に関わる人たちの能力がどんどん上がっていった
  3. 過去の商品も売れるようになった

新製品をつくることには学びがたくさん詰まっている

新製品をつくることは労力のいることです。商品を作るだけでもやることがたくさんあるのに、他にも製品マニュアルやデモ、販売ページも必要。マーケティングのために広告や記事の準備もしないといけない。やることがいっぱいあるんですね。

そして、そこには学びの要素がたくさん散りばめられている。デモサイト1つとっても、文章をどうするか。テーマのイメージにピタリとはまるキャッチコピーは何なのか、文量はどれくらいがいいか。スマホでの見え方はどうか、長すぎないかとか。色々考えることがあるわけです。初めて開発に携わるスタッフも1年もすれば、個人的に必要なスキルだけでなくて、新商品を販売する為の全容が見えてくるようになる。このように毎月当たり前のことを当たり前にこなしていれば、力がメキメキついてくるわけです。

それは次なる製品に活かされる。

スキルアップは量を追うだけではだめ

リリース頻度を上げるということは、今まで2ヶ月3ヶ月でやっていたことを1ヶ月でやる。つまり、スピード(量)を上げることになります。でも、量が増えても質が落ちては意味がありません。それどころか、むしろレベルはどんどん上げていきたいと考えている。ただ、量と質は両立するのか。両立させることはできるんですね。

まず各部門のクリエイターがプロフェッショナルであることです。プロフェッショナルとは、一流思考です。自分の任された仕事を周りの予想を越えてやりきってくる。もちろん、人間ですから予想を下回ってしまうこともなくはないのですが、自分が納得するまでやる心と人を驚かせたいという心が同居しているのがプロフェッショナルなので、常に果敢にそこに挑むのです。

量に関しても、同じことをやるのであれば常に上げていきたい。上げなければ、さらに上のことをやる余裕はないわけです。だから、責任者に単なる作業員がいると質も量も上がってきませんが、プロフェッショナルのチームであればそれが可能なのです。つまり、これが出来ているのも人間の力なんですね。

本来、質というものは量をこなすことで上がっていきます。量は質を凌駕する。人の成長サイクルを最大限高めるのも「量」です。つまり、どんどん質を上げていきたいから、革新的な領域のモノをつくりたいから、リリース頻度を上げたのです。

ユーザーの動向を見ながらリリースサイクルを決める

とは言え、1週間に1回商品をリリースするというのは、WordPressテーマの市場から言ってちょっと違うと思います。開発力の限界もありますけども、それ以上にユーザーがついてこれなくなってしまう。

マーケティング的な面でも1つ1つの商品をユーザーに浸透させるには時間が必要で、ちょうど良いタイミングとして1ヶ月に1商品をリリースするのが我々としてはベストだという考えなのです。

新しい商品を出すことが、過去の商品にも影響を与える

新商品を投下することは、ユーザーに過去の商品を見直してもらう場をつくることにも繋がります。TCDにしてもそうで、新商品をリリースしたタイミングで他の商品の売れ行きにも影響を与えます。予期せぬことではありますが、新しい嵐を起こすと別のところにも風を起こすことになるというわけです。

また、新商品のリリース時は自分を見直す機会をつくることにもなります。新しい商品をリリースすれば、今までとは違った問い合わせが来ることもあったり、売れたのか売れなかったのか、そしてその結果はなぜなのかということを考えさせられます。過去にリリースした「GENSEN」「KADAN」「ONE」「NANO」「ICONIC」「ZOOMY」など、今までになかった商品をリリースすることで各部門のクリエイターの学びの材料にもなるわけです。

そうした刺激が新陳代謝となり、モノづくり集団としての組織づくりとなるわけです。

前傾姿勢でやると、次にやることが見えてくる

このように前傾姿勢でやること。それは積極果敢に生きることにも繋がります。とても大事なことですよ。我々にとってもいいことだし、社会にとってもこれまでにないものが生まれるスピードが早くなる。すべてのステークホルダーにとってのメリットを提供できるのです。

10年間も同じ分野で商品を出し続けていますが、最初は同業他社もこれに合わせようとして、リリース頻度を上げたり、価格を真似したり、販売ページやデモサイトのテイストを真似たりする同業他社も実際にありましたが、今やついてこれるところはなくなりました。運の要素もありますが、良いモノをつくろうという情熱を絶やさず燃やし続けた結果だと思います。

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  1. 2019年 3月 17日
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